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平成25年度東京都立高等学校入学者選抜の「推薦に基づく選抜」で、集団討論が導入されました。
私は都内の4大学で、就職支援・キャリアアドバイザーをしていますが、大学4年生の5月頃に「グループディスカッションが苦手なんです・・・」という相談をよく受けます。就職活動の初期(大学3年生の2~3月、大学4年の4月)に、大手・中堅企業の一次選考でグループディスカッションが行われ、そこで初めて苦手だと気づく学生が多いのです。ちょっとしたコツをお伝えすることはできますが、残念ながら即効薬はありません。
グループディスカッションで問われているのは、仕事だけでなく、変化の激しい現代社会で生きていくうえで、とても大切な力です。たとえば、、、
- 知識 : 探究心、継続学習力 など
- スキル : 対話力、傾聴力、分析力 など
- 姿勢 : 仲間を信頼する、仲間と協力する など
授業、部活、サークル、アルバイトなどのあらゆる学生生活を、どんな仲間とどう過ごしてきたか、総合的に評価されるのがグループディスカッションと言えるでしょう。
多くの大学生の履歴書を見てきましたが、「学生時代に力を入れたこと(学生ことばで、「学チカ」)」に【学業】をあげる学生に2つのタイプがいます。
- 1つ目のタイプ
一番前の席で授業を聞き、ノートをまじめにとり、暗記をし、試験でいい点をとったことをアピールするタイプ - 2つ目のタイプ
自分の夢、目標、問題意識を出発点にしながら、周囲の力を借りたり、自分で探求したりしながら、自分の力で前進してきたことをアピールするタイプ
グループディスカッションで問われているような力を蓄えているのは、2つ目のタイプの学生です。もちろん、どちらのタイプの人も、努力できる人材としてすばらしいと思います。でも、正解のない道を切り開いていく人材が必要な現代では、2つ目のタイプの人がより必要とされているということです。
社会に出るときに向けて、小さい頃からじっくりと力を蓄えていくことができたら、社会人になるときにあわてずに済みます。都立高校の推薦入試にグループディスカッションが導入されたことは、こういった生きていくうえで必要となる力に小中学校時代から目を向けるきっかけになりますね。そして、どんな教育方針・カリキュラムのもと、どんな仲間とどう過ごすのか、親として、学校選び(子どもの学ぶ環境選び)が大切だなとあらためて思いました。
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