学校基本調査と就労支援

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 大学で就労支援をしていると、3月は否が応でも「学校基本調査」を意識させられます。というのは、大学にとって、就職率の維持・向上は、学校経営(受験者数、入学者数)に直結するため、卒業する4年生のうち就職活動を続けている方へのフォローに力を入れるからです。

 ただ、毎年気になるのが、就職率を出す際に母数に含めない(つまり、就労支援の対象にならない)、「(就活が厳しいから)大学院や専門学校に進学する人と一時的な仕事に就く人」「家事手伝いなど就職を希望しない(もしくは諦めた)人」「どうしているかわからない人」の存在です。文末にH22年度の学校基本調査結果の関連数字を抜粋したものを添付しましたが、こういった気になる人たちは、正確にはわかりませんが全卒業者のうち1~2割はいるのではないかと想像しています。また、経済的事情やメンタルで、留年・退学する学生も増えています。少子高齢社会と同じくらいの社会問題だと思います。

 最近の孤独死ではありませんが、支援機関とのつながりを持たない(知らないため持てない、自分の意思で持とうとしないなど)人たちに対するアプローチも、本当に難しいと感じています。電話しても出てくれない、留守電にメッセージを残しても音沙汰がない学生も非常に多いのが現実です。こういった気になる人たちには、卒業後もどこかで社会とつながっていて欲しいと願っています。せめて、「ひとりで頑張らないでね。支援機関には○○があるので、ぜひ一度行ってみてね。」私の留守電メッセージが届いているといいのですが・・・

 就労支援をしている感覚値ではありますが、就職に結びついている学生の基本的な特徴は、「等身大の自分が自覚できていること、かつ、その自分を受け入れられていること、親から精神的に自立できていること」だと思います。平たく言えば、「とにかく自分のできることで、親から金銭的にも自立しよう(働くのは大人としての責任)」ということだと思います。

 若者雇用の現状と対策は、「雇用戦略対話」に掲載されています。

 政府としての対策としては、キャリア教育やニートに対する支援など、大きな枠組みづくりや支援機関の設置がありますし、私もキャリアカウンセラーとしては、本質的なキャリア教育につながるように取り組んでいこうと思います。

 そして、親として、また一人の大人として、子ども、学生に対してできることをできる範囲でやっていこうと思います。たとえば、こんなことを。

  • 自分の子どもに対して
    • 子どものありのままの性格・能力を認めてあげる(蛙の子は蛙です・・・)
    • 子どもを盲目的に褒めすぎない
    • 子どもがしたいことに耳を傾ける(こうしろ、ああしろと言わない)
    • 自分自身が 仕事に誠実に取り組む
  • 日々接する子どもや学生に対して
    • ちゃんと目を見て挨拶する
    • おせっかいと思われても声をかける
    •  その子らしさを理解する努力をする

 あれこれと思いつくままに書き出してはみましたが、子どもにとやかく言う前に、自分が正直に生きること、やるべきはただそれだけなのかもしれません。

※ H22年度の学校基本調査結果の関連数字を抜粋(画像をクリックすると拡大)

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