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少子化が進み、労働人口が減り、女性が働き続けることが国家としての課題となった現在。両立支援というと、子育てとの両立の話ばかりが目立ちます。子どもをもたない人、子育てをしない人(子どもがいても子育てを妻任せにしている男性を含む)が、自分とは関係のないこと、自分の負担が増える面倒なこととらえても不思議ではありません。
でも、男性中心の職場で、問題が顕在化していないだけで、影で苦労をされている社員、ひっそりと退職していく社員がいる可能性もありますね。
人口減少で、少なくなっていく諸々の担い手。さらに、進む共働き。
これまで専業主婦やパート主婦が担っていた子育ても介護も、その他地域の営みも、これからは少ない人数ですべての人が担わないと回りません。さらに、働く世代が病気になる。。。ひとごとではありません。職場も家庭も、「子育て」も「介護」も「病気」も、お互いの事情を理解し合いやりくりして、働き続けることが必要となります。多くの人にとって働くことは、経済的にも、精神的にも重要な意味をもっているものです。
- 現在実際に、自分で「介護を担っている」割合は、男 性で14.4%、女性で10.7%(仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査・厚生労働省Webサイト)
- がん患者の3人に1人は就労可能年齢で罹患(がん患者の就労や就労支援に関する現状・厚生労働省Webサイト)
- 精神障害の労災認定件数が3年連続で過去最多を更新(改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の概要・厚生労働省Webサイト)
先日、ベネッセ主催の「介護との両立のセミナー」で法政大学の武石恵美子先生の話を聞きました。そのなかで、アメリカでは「家庭に?優しい上司」というような研修項目の一つに「自分のプライベートを部下に話す」というものがあるそうです。上司が職場でプライベートを自分から話せば、部下も話しやすくなるということだそうです。
上司も部下も、お互いのプライベートでの困り事を共有しながら、職場内でお互いにやりくりしていく時代であるということ。プライベートの話題を避けていては、人材確保と仕事継続(両立)が難しい時代になりつつあるということ。ですね。
仕事との両立が誰にとっても自分ごとである時代に大事なこと 【会社として】
- 「うちの会社は問題がない」という考え方をあらため、先手先手で、できる範囲から(予算を割かずにできることもある)、両立支援に着手する。
- まずは、従業員の両立に関する心配ごとを、オープンに相談できる環境をつくる。
仕事との両立が誰にとっても自分ごとである時代に大事なこと 【社員・個人として】
- 「自分のプライベートなことで、会社や職場に迷惑をかけてはならない」という考え方を捨てて、早めに会社の上司や人事・総務に相談する。
- 「自分だけでなんとかしなければ」という考え方を捨て、会社の人事・総務、医療機関、自治体等、あらゆるところにまずは情報収集する。遠方等の理由で訪問ができなければ、電話でも相談する。(介護であれば、住んでいる地域の「地域包括支援センター」に相談)
- 「仕事を辞めずに続けること」を前提に、どこか1ヶ所、誰か一人に聞いて、ダメだと諦めるのではなく、複数の機関・相手に相談して、いろいろな角度からの情報を集める。
ちなみに、ベネッセ主催の「介護との両立のセミナー」には、たくさんの企業さんが参加されていて、関心の高さを実感しました。
★東京都のサイト、充実しています→【東京都福祉保健局Webサイト〉東京都がんポータルサイト】治療と就労の両立支援
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