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今週は立て続けに、悪い意味で”スゴイ”接客を受け続けています。
一つは、老舗の旅館の代表電話。質問に対して、「私は担当ではないので・・・。」という禁句。そこまで難しいことを聞いたわけではありません。代表電話ですから、どんな電話に対しても一次回答をし、適切な部署につなぐ、もしくは確認して答えるのが鉄則です。
もう一つは、老舗の大型書店のレジ。仏頂面で目を合わせないのも気になったのですが、それ以上に気になったのが、私が渡したポイントカードを返す際に、”ぽんっ”と、おつりトレーに投げ入れたこと。丁寧に両手で手渡しするのがマナーです。
実は、まだまだあるのですがこの辺りで(苦笑)。これらの接客をしていたご本人、お客様に悪い印象を与えていることに気づいていない、マナーや常識のずれを職場で指摘してもらっていない、教えてもらっていないとしたら、ご本人も気の毒ですね。
企業の受付はタブレット端末に、スーパーやガソリンスタンドはセフルレジで、銀行をはじめとした実店舗は縮小され、ホテルまでもロボットが対応したりと、生身の人に接客してもらう機会が減ってきています。だからこそ、残っている顧客接点である接客の質を、せめて最低限のレベルでも維持しないと、対人サービス付きの高い商品やサービスにお金を払う意味がなくなり、お客様は離れていきます。
接客の質が低下しているのは、現在の労働市場が売り手市場であることが確実に影響していると思います。少しでもキツイ、面倒だと感じさせることを言うと辞めてしまうのではないかと恐れて、物が言いづらくなっているのです。それによって、質の悪い人材は辞めないけれども、質の高いお客様が離れていくという状況になっていることは、その企業にとって死活問題であるにも関わらず、です。
また、パワハラ研修の弊害で、何をどのように伝えたらいいのかが分からなくなっていて、余計なことは言わない、教えないの悪循環になっている現状も少なくありません。そして、どんどん仕事の質が落ちていくのです。
採用の時点でしっかりと自社の大切にしていることや、育成のスタンスを伝え、あるレベル以上で納得・合意できる人が採用できれば、初期の育成(指導、アドバイス)の吸収力が変わってきます。ディズニーランドや星野リゾートが、典型です。もしそこまではできなかったとしても、できることがあります。
■仕事の質をあげる指導のコツ(会社・上司編)
指導しないで陰で文句を言う「負のエネルギー」は会社の雰囲気を悪くします。伝えるべきは伝え、できている人やできるようになったことに、しっかりと光を当てる(個人的にほめる、みんなで共有するなど)ことで、職場全体の「プラスのエネルギー」が増えていきます。
- 【公平に平等に指導する】
内容も言い方も公平に平等に接する。例えば、まずは、みんなに伝えて様子を見て、以降は個別に気づいたことをアドバイスしていく。 - 【自社の成果だけでなく、指導相手の価値でも伝える】
それができるようになると、指導相手個人にとってどんないいことがあるのかを伝える。
■仕事の質をあげる指導をたくさんしてもらうコツ(個人編)
同じ時間を仕事に費やすのであれば、たくさんのことを吸収して、仕事上でも評価・評判を上げることができたら、少しずつでも仕事が楽しくなります。それだけでなく、仕事での評判は、プライベートでの表情や立ち居振る舞いにもいい影響を与えますので、人生全体が明るくなります。
- 【言ってもらいやすくする】
上司や先輩に「どんな小さなことでも、気づいたことがあったら教えてください」と自分から頼んでおく。 - 【いいところを取り入れる】
口調、言い方といった表面的なことに左右されずに、仕事のコツとして取り入れる意識でアドバイスを聞く。
対人サービスがお客様から選ばれる大きな要素になっている企業にとって、従業員になにがどのようにできるようになることを求めているのか、具体的な行動レベルで定義しておくことが大切です。ホスピタリティ溢れるサービスは、その最低限の行動が全員でできていなければ意味がありません。具体的な行動レベルで定義することの必要性を感じている企業様がいらしたら、ぜひお問い合わせ(株式会社これあらたWebサイト)ください。
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