企業への気持ちが離れた表現と距離が縮まった表現

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企業理念などに耳障りのいいことをたくさん書いている企業でも、ことばの端々にその会社の本性が見え隠れすると私は思います。

「お客様を第一に」「お客様を大切にします」よく見ることばですね。こちらの写真は、お客様第一を謳っている企業のビルの入り口にある看板です。通り抜けのためのエレベーターの利用は固くお断りいたします。」

これ自体は、別に間違ったことは言っていません。きっと、ビルに用事がない人がエレベーターを利用することでなにか迷惑なことが起きたのでしょうね。その気持ち、わかります。でも、このビル、病院も入っているうえ、地下道から地上にあがるためのエレベーターが近隣にはまったくない場所にあるビルだったのです(今は、少し離れたビルにエレベーターが設置され、困った人は気兼ねなく使っています)。

お年寄りや子ども連れ、ベビーカーの人は、ほんとうに困っていました。でも、地下深くから上る階段の上り口にこの看板があるので、気が引けて使わせてもらうことができない私も子どもたちが乳幼児だった頃には、通るたびに恨めしく、冷たい企業だなという印象が心の奥底にどんどんと積もっていきました

もし、「お年寄りやベビーカーでお困りの方は、ご遠慮なくエレベーターをご利用ください。」と書いてあったら、まったく印象が変わりますね

いっぽう、こちらの写真。急に雨が降り出したある日の夕方、明治大学和泉キャンパスの総務部門のドアにかかっていた掲示です。「残念ですが、貸出用傘は品切れです。」

大学なので、忘れものの傘も多くあるのかもしれません。ただ、傘を貸し出さなくても、ましてや品切れであっても別に責められることはないでしょう。困っている人に対する優しさを感じる掲示に、いい大学だな、ステキな職員さんがいる大学だなと改めて感じました。

お客様第一を実現するためには、お客様とのコミュニケーション(たとえば、どう感じているのかを知る)が不可欠です。こういったちょっとした一言(表現)が、顧客とのコミュニケーションを増やすきっかけになるのです

就活をしている学生さんは「理念に共感しました!」と気軽に言いますが、どう実現しているのかを見て感じること、本当の企業の姿をしっかりと見定めることが大切ですよ!もちろん、完璧な企業はないということも頭の片すみにおいて。

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