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生まれてから大学生まで、男女を意識することは少なくなってきたのではないでしょうか?最近の小学校では、学級委員を始めとしたリーダーに、女の子が立候補することが多いとか。大学のゼミでも、就職活動でも、女の子の積極性は素晴らしいですね。
でも、女子大生の就職支援をしていると、女性活躍の最大の敵は「身内(お父さん、お母さん)」だと思います。「女の子なんだから、そのような仕事はムリじゃない?」「女の子なのだから、何も大変そうなことに挑戦しなくても、、、」等々。
また、子育てと仕事の両立相談を受けていても、働くことに反対する・心よく思わないのは義父母・実父母・夫です。まさに、敵は身内にあり、です。
会社等の組織で仕事をしている場合、組織内の共通の敵(たとえば、仕事での高い目標、嫌な上司等)があれば、飲み屋でグチを言いつつも(笑)、ともに頑張ろう!と結束力が高まるものです。
一方、女性が仕事をするうえで、身近で活躍を応援して欲しい身内が敵の場合、一番近い存在が敵であり、ともに頑張る仲間がそばにいないため、「自分の考えがおかしいのかな?」「自分が仕事を(挑戦を)やめれば丸く収まるんだよね・・・」と、どんどん挑戦に対してマイナス思考になっていきます。
社内の敵には立ち向かえるのに、身内の敵には立ち向かえない。というよりも、身内だから応援してくれるはず、身内だからこそ応援して欲しいという期待が高い分、応援してもらえないという状況や身内を説得することに、疲弊してしまうのかもしれません。
キャリア相談に来る女性の多くは、身内に敵がいることによるマイナス思考から抜け出せず、でも、自分の生き方、これまでの挑戦の結果(大学までは男女を意識せずに普通に頑張ってきたのです)を手放すことをしたくないという思いで相談にいらっしゃいます。
声を大きくして言いたいこと!!!
- 女性が仕事をすることは、自分勝手な生き方ではありません。社会への貢献のひとつのあり方です。
- 女性が仕事で挑戦することは、決して育ててくれた両親や未来の家族(夫や子ども)を不幸にするものではありません。挑戦を応援しあえる家族は、応援しあう社会の一番小さな単位であり、子どもたちの将来によりよい影響をもたらします。
- 家庭内で夫婦、子どもを含めた家族が、お互いにとって今何をすべきなのか(何を譲り何を譲らないのか)を話し合い合意していくことは、組織や社会の変化に対応する力を高めます。
大学生のお子さん(特に女の子)をもつお父さん、お母さんへ。
社会は変化しています。どうか、自分たちが生きてきた時代の枠組に子どもを閉じ込めようとしないでください。10年後、20年後の我が子が、どんなことがあっても自分の力で生きていけるように、挑戦しようという気持ちを折らないでください。
働く(働きたい)妻をもつパートナー(夫)、そのご両親へ。
新しい夫婦・家族のあり方、生活を一緒につくるのは、確かに大変です。当面は、負担も増えることでしょう。でも、男性一人が、家族の大黒柱として稼ぐには、あまりに変化が激しい時代です。夫婦で働くことで、心理的・物理的な負担を分散し、収入を増やせたら、長期的に安心して暮らせます。
同志である女性の皆さんへ。
私の父は、サラリーマンの研究者として、定年後は大学の先生として70才まで働いていました。父は、私が30才を超えるまでずっと、「女は働かなくていい」と言っていました。
一方、母は大学卒業後2年間幼稚園教諭をし、結婚退職後はずっと専業主婦でした。母は、私が高校生の頃からずっと、「女でもずっと仕事を続けるといいよ」と言っていました。
そんな環境で育った私と姉は、それぞれ大学に進み、自分たちのやりたいことを勉強し、勝手に(笑)就職し、子どもを育てながらもずっと働き続けています。父に対する反発心もありましたが、時代の流れで自然に働き続けてきたような気がします。
そんな父も、職業人生の晩年は、会社の女性社員の処遇改善に取り組んでいたようです。いつの間にか、私にも「女は働かなくていい」とは言わなくなりました。
諸先輩方の仕事の積み重ねのうえに、社会・時代の流れがあります。着実に淡々とやるべきことをやり、冷静に自分の希望を伝え続ければ、時代も周囲の人も、きっと味方になってくれると私は信じています。
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