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「冨山さんは、天職でうらやましいです」 ある企業研修で参加者から言われたことばです。今年1年を振り返って、一番印象に残り、自分の仕事に対する考えをあらためて心に刻むことになったことばです。
講師業をやっていて「天職ですね」と言われたのは、これが初めてではありません。数年に1度、忘れたころに、誰かがそう言ってくれるのです。
当の本人である私自身は、講師業を天職と思ったことは一度もありません。というのも、大学時代からずっと、人前に立つこと、人に何かを話すことをできれば避けたいと思ってきたからです。
では、なぜ私が講師業を仕事にしているのか、ということをあらためて考えてみました。そして、 「人が好きだから」「人の生き方に関心があるから」に行きつきました。
講師業は、たくさんの人に出会うことができます。ただ顔見知りになるのではなく、特に企業研修では、自分のあり方に悩み、試行錯誤されている方々と、お互いに考えを伝えあい、学び合うことができるのです。とても楽しく、幸せです。
私にとって講師とは
- 教える、伝えることが役割ではなく
- 議論の素材を提供したうえで
- 私のあり方をさらけ出し私のことを知ってもらい
- 参加者のことを知り
- 参加者同士が知り合う仲介をし
- その場の参加者全員が、自分の生き方、企業内で言えば組織に何を通じてどのような影響力を与えるかに目を向け
- 職場に戻ったときの実行(失敗)の応援者にお互いがなれるように
- 考えや思いを引き出し参加者同士をつなぐ役割
だと考えています。
「どう生きるのか」に関心がある講師、珍しいのかもしれません。珍しいもの好きの私らしいかなと思います。
来年も、「どう生きるのか」に関心を持ち、講師業に向かいたいと思います。「天職ですね」と言ってくれる人に再び出会える日を楽しみに!
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