子どもの就活に親がしてあげられること

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2017年卒(大卒)の就活は、昨年12月に始まった外資系企業、ベンチャー企業、インターンシップ参加企業(先行採用)、そして3月に始まった上場企業の内定がほぼ出そろい、一つの山場を終えました。2016年卒よりは短かくなったものの、2015年卒よりはまだまだ長い就活となりました。

昨年のように内定をじゃぶじゃぶ湯水のごとく出す企業はほぼなくなり、今年の企業の内定出しは非常に慎重でした。第一志望かどうかと根掘り葉掘り問う面接も例年以上に多かったようですが、昨年のようなあからさまなオワハラはあまり聞きませんでした。

学校推薦求人でも、本当にその大学の学生が欲しいという意図以上に、内定辞退しないことを誓約させて学生を採用したいという意図が見え隠れする求人が増えたように感じます。それを学生が感じ取ったのか、学校推薦求人へ応募する学生が減ったのも今年の特徴です。

いずれにしても、企業と学生がだまし合いでも脅しでもなく、本音で話し合える就職活動が主流になって欲しいと願うばかりです。

毎年、一部上場企業の内定が一段落した時期(今年で言えば7月)になると、次のような相談が増えます。

  1. 親が、内定先の企業はきっとブラック企業だから辞退しろと言っているが、どうしたらいいか。
  2. 親が上場企業でないと就職してはいけないと言っているので、どうしたらいいか。
  3. なぜ働くのかわからない。だから就活をする気持ちがわかない。
  4. 親がいつも(仕事が)大変そうだから、やっぱり働きたくない。

この4つの相談から、親が子どもにしてあげられる支援を挙げます。

 相談1,2から考える支援【子どものサポーターになる】

親が就職先に関して決定権を握らずにサポーターになることが最大の就職支援です。

求められたときにアドバイスしたとしても、あくまでも、自分たちの経験してきた範囲からの物の見方であることを自制することが求められます。よく調べもせずに、知らない名前の会社だからという理由だけで、ブラック企業と決めつける親御さんが後を絶ちません。また、親である自分たちがしてきた就職活動と今の就職活動は違いますし、仕事の仕方も変わっているのです。上場企業だから仕事が楽なわけでもありません。中小企業だからブラック企業であるわけでもありません。子どもの人生の主人公は子ども、だから子どもが自分で決めることが必要です。

サポーターとは「考える支援をする人」

親が自分ではほとんど考えることなく、自分のエゴ(見栄)だけで意見すると、子どもはとても混乱します。

親自身が「ブラック企業とはどういう企業だと考えているのか」「上場企業でなければと思っているのはなぜなのか」「上場企業でなくとも、就職先企業に希望する条件は何なのか」をまず考えることです。そして、子どもの意見を聞きます。そのうえで、自分の考えも伝えて、子ども自身に考えて決めるように、また困ったら自分たちや学校に相談するように伝えます。

サポーターとは「心理的安心感を提供する人」

頑張っているのに、顔をみればまだ決まらないのか、頑張れと言われ、話(グチ)を聴いて欲しいだけなのに、親の意見ばかりをまくし立てられては、気が休まる場所がありません。親に恩を感じ、親の期待に応えたいという気持ちを多かれ少なかれ子どもはもっています。それを感じ取ってあげるのも親。

ご飯をつくって待っていてあげる、疲れている様子ならちょっとしたおやつを用意してあげる、意見を言わずに話を聴いてあげる。ときには、そっとしておいてあげる。そんなふうに寄り添ってあげて欲しいなと思います。

相談3,4から考える支援【子どもに自分の背中を見てもらう】

親が自分の人生(仕事や家庭等)を楽しんでいることが最大のキャリア支援です。自分もそうなりたいと子どもは自然と思えます。親を尊敬しているお子さんは、働くことに前向きです。

仕事も家事も大変ですし、嫌なこともあります。でも、だからこそ得られることがあるのですが、得られることをことばにして子どもに伝えていない親御さんが多いのだろうと想像します。ことばにして伝えることは本当に大事なことです。そうでないと、疲れた様子、グチとして語られることばだけが、子どもに届いてしまいます。

もし、得られることがない、違う人生を生きたいのであれば、現状は変えずに自分の気持ちを切り替える、現状(環境)を変える・方向転換をすることが必要です。自分の道を自分の力で選んでいない親の姿をみている子どもに、親が自分で考えて決めろと言っても、説得力がありません。親御さんこそ、キャリアコンサルティングが必要なのではないかと思う今日この頃。。。

私も親として、迷ったり、苦労したりしながらも、楽しんで生きていきたいと思います。

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