この言葉は、拙著「女性部下マネジメントの教科書」にスコラ・コンサルト創業者の柴田昌治さんから贈っていただいた推薦文ですが、その文章を読んでどのように感じるでしょうか?

「上司は答えを示すものだろう」
「上司が困ってどうするんだ?」
「上司は部下に弱みを見せるなんて、一番してはいけないことだと思うが?」など
批判や疑問の声が聞こえてくることもあります。女性部下マネジメント(ダイバーシティマネジメント)のように、答えが一つではない課題に向かっていくとき、職場全員が自分ごととして課題に向かっていく必要があるとき、一人ひとりが自律的に考えて試行錯誤をしていく必要があるとき等に、「一緒に考え、一緒に困る上司が、部下も組織も強くする。」という信念がいきてきます。
柴田さん自身がこの推薦文を提示してくださるプロセスで、「一緒に考え、一緒に困る上司が、部下も組織も強くする。」を実践してくださいました。贈っていただいたこの言葉ですが、私の信念と一致する言葉であると実感するプロセスでもありました。私自身もこの言葉を大切に実践し続けたいと思います。
スコラ・コンサルトの創業者である柴田昌治さんは2024年12月31日に逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。
柴田さんは、目の前の一人ひとりを分け隔てなく大事にし、一人ひとりとの対話を大事にする人でした。経営者・構想家・思想家として時間的にも精神的にも忙しいことが多かったと想像しますが、忙しそうな顔やそぶりを見たことはありません。
「一緒に考え、一緒に困る上司が、部下も組織も強くする。」、この推薦文をいただいた時が柴田さんとの最後の対話となってしまいました。
この言葉は、スコラ・コンサルトに関係した人であれば、なじみ深い考え・あり方だと思います。スコラ・コンサルトに4年弱在籍していた私にとっても、当然、なじみ深い考え・あり方ではありますが、この言葉を贈っていただいたプロセスに大きな意味と価値を感じています。
推薦文なので、定型文やいくつかのキーワードだけを提示して、作文は任せるというやり方も取れたと思いますが、柴田さんは私との対話の時間をとってくださいました。結局、2時間ほどかけて、私の本の内容や何を大切にしているかを質問してくださった上で、推薦文を提示してくださいました。
世に問うた経営・マネジメントの在り方、価値観を、自らが試行錯誤、実践し続けた柴田さん。柴田さんの経営哲学と生き方の一端に触れたスコラ・コンサルトでの日々は大切な思い出です。ありがとうございました。
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